書籍:「『利益力世界一』をつくったM&A―企業価値最大化に賭けた男たち」(★★☆)
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決算業務の影響もあり、すっかりブログの更新が滞ってしまった。。。
本書籍は、信越化学工業㈱顧問 金児 昭氏の著書。
信越化学工業は、近年M&Aを梃子に急速に業績を伸ばしており、その成長の原動力を、著者の体験を踏まえて小説仕立てに再現している。
尚、私が、印象に残った文脈を以下に記載するが、内容自体は、構成が中途半端で残念だった。
小説の中に、ライブドア事件を併記で解説したり、著者の創作用語や自著の紹介などを挿入しているのだが、逆に小説の流れが切れて非常に読みづらかった。
「海外進出で大事な事は、人間としてのCommon Sense(常識)とManners and Customs(風俗・習慣)です。難しく考えない方が、かえってよい場合が多いと思います。」
「経営は、もっと長期的に考えるべきでは・・・」
「いや、過去から今の瞬間までの短期の利益の積み重ねが、長期の利益確保になるのです。英語でも"Past has made me want I am""Today is another happy day"と言うではないですか」
「経営力は三つに分かれると考えます。①は事業力、②はBook Keeping力、③は経営力です。」
「いつも①Accuracy(正確さ)、②Speed(迅速さ)、③Integrity(誠実さ)に照らして物事が進められているを確認するようにしたいと考えています。」
「親会社として、グループ財務活動をどこかの国に集約したら良い、という考え方には全面的に反対なのです。国によって、風土も、商習慣も、気候も、人々の気持ちも、法律も、裁判制度も異なる。そこで、財務活動は事業との関連において、各社ごとに行うこととして、親会社はその現状を常に把握するに留めたいと思っています。子会社を外国に設立する場合、資本等は当初に必要な資金の二分の一を親会社から払い込み、残りの二分の一は海外現地の子会社が現地の銀行から借り入れることとする。」
「国際的な事業をする際に『内』『外』に分ける考え方が大事である。先ず、『内』で一番大事なのは会長、社長、CEO(最高経営責任者)です。『外』で一番大切な経営資源は顧客です。」
「経営は、残高ではなく、いつも増・減が大事です。」
「新社長を選ぶ場合、その候補者に『あなたは社長になったら何をやりますか』『どういう経営方針・実行で利益をあげますか』『従業員とどのように接していきますか』『資金調達については、どういう考え方を持っていますか』『人の評価はどのようにしていきますか』などは必ず聞くべきです。」
「米国子会社の経理・財務担当者を選ぶ。人物としては、①真面目で口が堅い、②体が丈夫な人、③バイタイリティのある人の三条件を充たす人物である事。」
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- 2009/10/28(水) 01:23:40|
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